火が起こせたら簡単に調理できるという“幻想”
上に網を置いて、その上に無洗米を入れて、水を十分吸わせた飯盒をセットします。

“21世紀のキューブリック”ともいわれているクリストファー・ノーランの『TENET』が話題なので、この日にブックオフで100円で買った『2001年宇宙の旅』を読みます。
まえがきを読み終わって、飯盒の蓋を爪でつんつんとつついてみたのですが、全然熱くなっていないことに気づきました。固形燃料でやったときはすぐに熱くなっていたんですね。指で蓋に触れてみても、やはり熱くない。
炎が上がっているのになぜなのでしょうか?
そうこうしているうちに、着火剤が燃え尽きたのでしょうか。炎も上がらなくなってしまいました。炭は一応燃えているようですが、たしかに焚火台の近くにいても、たいして暖かくないのです。
ここで、焚火台についていた火吹き棒の登場です。

息を吹くと、息が当たる炭の部分が赤く燃え上がるのですが、炎が上がるわけでもないし、火が周りに広がることもありません。
飯盒も熱くなっていないようで、蓋を開けて中を確認してみると、水が張ったままで、全然炊けていません。
しびれを切らし、ここで前回うまくいった固形燃料による炊飯にチェンジです。

炎をつけて、数分で蓋部分が触れないくらい熱くなっていきました。とりあえず、今回も炊飯は五徳と固形燃料で行うことに。
そして、この度用意したメインディッシュは、地元の魚屋さんで売っていた1000円のうなぎです。これはもう調理済みで温めるだけで食べられるわけですから、こちらを網の上に置くことにします。
しかし、10分ほど網の上に置いていても、焼けている気配がありません。パチパチといった音も全然しないですし、指でうなぎを触っても、冷めたままです。
ここであることに気がつきました。もしや、火元と網の距離が開きすぎているのではないかと。

そこで、うなぎを乗せた網をどかして、ステーキプレートの登場です。これに、冷蔵庫で余っていた舞茸をバターソテーしてみることにしました。
着火剤を少し炭の中に放り投げてから、炭のすぐ上に直接ステーキプレートを乗せてみると……。

舞茸が焼ける音も聞こえてきました! やはり、火からの距離がありすぎて熱が伝わっていなかったのだと思います。
舞茸のバターソテーで実験を終えた後は、メインディッシュのうなぎもステーキプレートを使って焼いていきます。

いい感じに焼け出しました。
出来上がったのは、以下です。

今回は、焚火台を使うという一歩進んだ試みをしてみましたが、結局、うまく行きませんでしたね。
ということで、2回のソロキャンプを終えたところで、次回は反省会として、ヒロシさんにアドバイスをうかがいたいと思います。
(文・写真/中野一気)