焚き火台に敷く“焚き火シート”ってどんな働きがあるの?
焚き火台の下に敷く防炎シートを使うキャンパーが増えています。
防炎シートとは、ガラス繊維やカーボンフェルトなどで作られた生地で、
火がついた薪が焚き火台からこぼれ落ちても生地が焦げることはあっても燃え広がることはないというもの。
とくに脚が低い焚き火台、薪がはみ出がちの小型焚き火台ユーザーの使用率が高いアイテムです。
以前よりちらほら見かけましたが、2020年はいろいろなメーカーが「焚き火シート」として販売し、一気にスタンダードアイテムになりました。
ガラス繊維を使った焚き火シートです。炭が焚き火台の隙間からこぼれ落ちて焦げあとがいっぱいできましたが、穴はあいていません。
使っているうちにガラス繊維がチクチクと肌を刺激するようになるので、
広げるとき、たたむときにはグローブをしておくほうがいいでしょう。
表面にシリコン加工を施していますが、こちらもガラス繊維製。ガラス繊維のチクチク感を軽減しています。
こちらはカーボンフェルト、ツヤのあるシートはBBQ用鉄板の上に敷くグリルマット。どちらもしなやかで素手で触れてもチクチクしませんし、好きな形に切ることだってできます。
耐熱温度が高いほど優秀なんですが、じつは瞬間耐熱温度と連続耐熱温度の2種類あって、名前の通り、瞬間的に耐えられる温度と長く熱に耐えられる温度です。
炭の燃焼温度は1000℃前後とも言われており、「連続耐熱温度250℃」と記載されていると少々心もとなく感じますが、「瞬間耐熱温度1000℃・連続耐熱温度250℃」であれば落ちた薪をすぐ拾い上げればそうそう穴があくことはありません。
ただ、残念ながら両方を記載している製品はあまりなく、瞬間耐熱温度=耐熱温度と記載している製品も。そもそも耐熱温度の記載をしていないものも少なくありません。
また、生地そのものが炎を防いでも、ペラペラで断熱性が今ひとつのものは草地やウッドデッキにうっすら焦げ跡がつくことも。
結局のところ、素材だけで比較しようにも異素材を組み合わせているものや厚みが異なるものもあり、カタログだけで単純に耐熱性・断熱性の比較ができないのが現状です。
後片付けが楽で薪の乾燥にも役立つ
それでも多くの人が焚き火シートを使っているのはなぜなんでしょう?
実際にいくつかの焚き火シートを使ってみて、焚き火シートを使えば周囲にこぼれ落ちた灰や燃えカスをゴミ箱まで持っていけること、そして薪スタンドがなくても焚き火シートに薪をのせて保管すれば湿気にくいのがメリットだと感じました。草地であれば、焚き火シートに載せた焚き火台の下や周囲に薪を並べることで焚き火シートの断熱性を補完、さらに焚き火のぬくもりで薪の乾燥を進められます。
「地面や植物へのダメージを軽減」「火災予防」への期待はもちろん、
「灰をまとめて捨てられるので焚き火の痕跡が残りにくい」、
そして「薪の乾燥に役立つ」など案外マルチに活躍してコスパよし。
焚き火シートを使って損はありません。
大森弘恵
フリーランスのライター。記事のテーマはアウトドア(おもにファミリーキャンプ)、旅行、ときどき料理。バイクキャンプ、ツーリング、雪遊び好き。